宮崎ヒスイ海岸 幻の「灰付きワカメ」
宮崎の初夏の風物詩、「灰付きワカメ干し」の季節が訪れました。
まずは、昭和35年の灰付きワカメがまだ全盛期だった時代の写真のご紹介から。
海には、隙間なくたくさんの漁船が浮かんでいます。
今は閉校となった旧宮崎小学校の子どもたちは、ワカメ採りの日は半休となって、
大人も子供も住民総出で、ワカメ採りに精を出していました。
男たちが海へワカメ採りに出ている間、ワカメにまぶす灰の準備は女と子どもの仕事。
うるち米のあたたかい灰がいいとされ、浜辺での準備に追われていました。
浜辺のいたるところで煙が上がり、宮崎の集落は、家の中まで真っ黒にすすけていたそうです。
15日にワカメ漁が解禁となったものの、
①波が小さい ②風がない ③潮の流れが弱い ④海水が濁っていない
という条件がそろわず、ようやく20日と21日の2日間だけ行うことが出来ました。
これらの条件がそろう好天の日は極めて稀で、当日朝にならないと判断ができません。
今年のワカメ漁に出る船はたったの3艘。
高齢化が進み、年々寂しくなってしまっています。
大海原にぽつんと浮かぶ小さな船…。
お父さんが、一人船の上から海の中をのぞいて、重たいワカメを引き上げます。
今年は、厳しい冬の寒さの影響で海水温が低く、ワカメの生育が抑えられたおかげで、
この時期にぴったり、とても質の良い肉厚なワカメが採れました。
さすが天然ワカメ!とても立派な姿にびっくりしました。
根っこのメカブと、先の赤茶色に焼けて縮れた部分をカットして、
芯が太いワカメを、半分に切っていきます。
メカブがゴロゴロ。
ヒダの部分をちょっとつまんでよく噛んで食べてみたら、アワビの味がしました♪
助っ人は、子ども時代から灰付きワカメを手伝ってきた宮崎のベテランのお父さんお母さん♪
ベテランの流れ作業は、無駄なく手際がいい!
山のようなワカメが、少しづつ浜辺に広げられていきます。
ワカメにまんべんなく灰をまぶすのは、実はとっても難しくて、
40年、50年と続けてきたベテランお母さんならではの技。
以前は、機械化も試みたそうですが、やはりベテランお母さんの腕には敵わなかったそうです。
全盛期の頃は、赤ちゃんをおんぶしたまま、自分も赤ちゃんも灰で真っ黒になりながら、
山と積まれたワカメとただただ戦っていたそうです。
お父さんは、現役のワカメ採りの漁師さん。女の子はお孫さんです。
ちょうど日曜日だったので、息子さんご夫婦とお孫さんもお手伝い。
ワカメをしっかり乾燥させるため、のれんを広げるように、丁寧に干していきます。
干し終わったのがお昼過ぎ…おひさまの下、ワカメはパリパリに乾燥します。
浜辺に広がるワカメのいい香り~。
乾燥したワカメからは想像がつかないほど、水揚げされたばかりのワカメはとても重く、
灰をまぶす作業も重労働です。
カンカン照りの太陽と潮風に吹かれ、体力も奪われます。
灰付きワカメは、ワカメを採るお父さん、灰をまぶして干すお母さん、
ご夫婦が二人そろって元気でないとできません。
夕方になると、風の向きが変わり、少し湿った風が吹きはじめます。
すると、パリパリだったワカメが水分を含んで、扱いやすくなります。
海のそばに生きる漁師だからこその知恵が息づいています。
夕方5時過ぎ、あまり水分を含みすぎる前に、家族総出で手早く回収しました。
採れたて、出来たての「灰付きワカメ」を、お裾分けしていただきました!
ボウルとザルを使って、手早く灰を洗い落とします。
みそ汁に、ぱっとワカメを放したときに立ち上る磯の香り…何とも言えないおいしい香りです。
普段食べていたカットワカメ、塩ワカメとは、まったくの別物でした。
ワカメが浜辺を埋め尽くす光景は遠い昔のこととなり、
今では、なかなか手に入ることのない、幻となった「灰付きワカメ」。
何とか、この光景、この味を、次世代へと受け継いでいきたいと、
宮崎のお父さん、お母さんが、70歳を過ぎた今も現役でがんばっています。
おいしいわかめを食べたいです。灰は、木炭の灰ですか?
コメントありがとうございます♪
灰は、コシヒカリの稲わらの灰です。
灰付けワカメのおいしさを、ぜひ味わってみてください!
亡くなった母が大好きだった灰付き若布。
ようやく手に入れる事ができました。
今日お浸しに、、。最高です!
澤田 様
こんにちは。
コメントありがとうございます!
今年は、2艘が3日間ワカメ採りに出まして、
とても肉厚で立派なワカメで、
質の良い灰付けワカメを75kgほど出荷出来たそうです。
手間暇がとてもかかり生産量が極めて少ないので、
ほぼ予約完売の状態で幻の灰付けワカメとなっていますが、
お求めいただきましてとてもうれしいです。
私も、刺身、お味噌汁、ワカメごはんと楽しみながら、
中でも、しゃぶしゃぶが絶品でした!
ぜひ、お試しください。
先日宮崎若芽をおすそ分けした金沢の友人に会いました。
若芽すごく気にいって、朝日町に電話しようかな、まだあるかな?って。
もうないよ、とつれない返事の私。
三つ星フレンチで東京まで行く友人。
来年こそ電話するぞと、、言っておりました。
とても嬉しかったです。
澤田さん、おはようございます。
「灰付けワカメ」広めていただいてありがとうございます。
今後とも、宮崎の漁師さん達の応援よろしくお願いいたします。
灰付わかめを食べたくなりましたが、どうすれば手に入るのかわかりません。入手方法を教えていただけるとありがたいです。
篠塚 様
お問合せいただきましてありがとうございます。
朝日町漁業協同組合さんで販売されています。
今年は、本当に質のいいワカメですので、ぜひ、お求めください。
「朝日町漁業協同組合」
富山県下新川郡朝日町宮崎1353
TEL 82-0034
灰付わかめを食べたくなりましたが、どうすれば入手できるのかを教えていただけるとありがたいです。
私も、灰つきわかめ欲しいです!連絡お願いします😊
太田 様
コメントありがとうございます。
朝日町漁協さんで販売されています。
今週、ワカメ漁をして、その後、検品、袋詰めの作業もあるので、販売は、6月に入ってからになると思います。
ご予約されたほうが確実ですよ~!
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「朝日町漁業協同組合」
富山県下新川郡朝日町宮崎1353
TEL 0765-82-0034