「一束の大麦ワークショップ」ほたるかご&麦茶づくり♪
きっかけは、「麦畑を見ると、ほたるかごを思い出すわ。」との地元のおばあちゃんのつぶやきから。
ほたるかごって何だろう?調べてみたら、あまりのかわいらしさにぎゅっと心を鷲掴みにされてしまいました。
早速、収穫後の麦畑から落穂を拾い、見よう見まねで試作品を作ってみました。
農家のおじいちゃんにこのほたるかごを見ていただいたら、「懐かしい!」と子ども時代のことを色々と教えてくださいました。
昔は、農耕馬のエサや自分たちの食糧として小麦や大麦を育てていて、乾燥機のない時代は、お米と同じように刈り取った麦をはさがけして乾燥させて、脱穀後の麦わらで、子どもたちがこのほたるかごを編んで遊んでいたそうです。
機械化されてコンバインで刈り取られるようになると、麦わらは裁断されてそのまま畑の肥料にされ、ほたるかごを作ることもなくなって行ったそうです。
今では、転作作物として、一年フル回転で大麦と大豆を育てることが出来とても効率がいいのと、長野県で改良された耐寒性の品種ファイバースノウが北陸が一番栽培に適していて、北陸の湿った重たい雪が麦踏みの役割を果たし、福井県に次いで、富山県が大麦の生産量全国2位を誇っています。
※H26 全国収穫量 46,800t 第一位 福井県 15,900t(34%) 第二位 富山県 10,200t (22%) 第三位 茨城県 4,410t(9%)
(参照:平成26年産麦類(子実用)の作付面積(全国)及び収穫量(都府県))
ちなみに、ファイバースノウは、6条大麦で、麦茶やひやむぎの原料になります。
2条大麦は、ビールの原料。
5月下旬から6月上旬にかけて、一面黄金に波打つ麦畑。
今までは、美しいなぁと眺めるだけでしたが、ちょっと大麦のことを学びながら、麦秋とホタルが飛ぶ季節をより楽しめるように、「一束の大麦ワークショップ」ほたるかご&麦茶づくりを開催しました。
先ずは、材料の準備から。
会場のまいぶんKANの目の前の麦畑から収穫しておいた大麦を一束(30本くらい)、穂と第一関節までを落として、ストロー状の茎の部分を使います。
ストロー状の茎は、水に30分ほど浸すと柔らかくなります。
自然の光沢が美しくて、麦わらは本当におもしろい素材!
穂の形が、6条の星形に並んでいるのも美しくて、チクチクのパリッとしたヒゲも、何かに活用したくなります。
土台となる、麦わらの根元の太い茎を十字になるようにひもで結んで、2本ずつ差し込みます。
お隣へお隣へ、下から上へ折り曲げながら編んでいきます。
折って重ねる部分を、外側に広げるようにして編むか、内側に狭くなるようにして編むかで、形が自由に変わります。
基本がわかればいくらでも応用が利くのがまたおもしろい!
底は空いたままになりますが、ほたるは上へ上へ移動する習性があるので逃げないそうです。
でも、かわいそうなので、ほたるを入れるかごとしては使えないかも…。
みなさん、思い思いの形をイメージしながら、もくもくと編んでおられました…。
ものづくりは、このいつの間にか無言になるくらい集中して、夢中になっている時間がたまらなく楽しい!
個性あふれるオリジナルのステキなほたるかごが出来上がりました。
大麦の穂は、一粒一粒バラバラになるようにほぐして、「唐箕」で細かなゴミや空の籾を風の力で飛ばします。
写真の唐箕、風車を手動でぐるぐる回して(70~80回/分)、風の力で重たいものは近くに、軽いものは遠くに飛んでいく単純な構造で、選別をすることが出来ます。
稲も、ソバも、胡麻でもなんでも。
昔の人が経験により完成された形、今も変わらず現役で活用出来ます。
洗って干した大麦を、ホットプレートで煎ります。
直ぐにパチパチとポップコーンのように弾けてきました!
煎りたてをほお張ると、香ばしくておいしい!
今回は、ちょっと焙煎が足りなかったのですが、じっくり焙煎すると、甘みのあるトロッとしたおいしい麦茶になります。
参加者のみなさんからは、豊かな時間を過ごせたねと喜んでいただけました。
楽しいことは、みんなでするとより楽しいですね!
今回の大麦は、サンライス青木さんが、快く提供して下さいました。
本当にありがとうございました。
来年の麦秋の季節が、今からわくわく楽しみです。
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